第6回中学受験、親の心得 「二月の勝者」「翼の翼」…話題作の作者に聞く

有料記事中学受験とお金

聞き手・塩入彩 聞き手・川口敦子 聞き手・編集委員 宮坂麻子
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 中学受験に、保護者はどんな心持ちで臨めばいいのか。中学受験をテーマにした作品で知られる3人の作家に聞きました。

■「御三家ウォーズ」 佐野倫子さん

 小1と小5の子どもがいます。11年前に港区に移り住んだら、周囲の受験への関心が非常に高くて。その経験などをもとに「御三家ウォーズ」を書きました。

 東京、特に港区は、体感で中学受験組が100%近い学校もある。そうなると、最初は受験を考えていなかった親も、考えざるを得なくなると思います。受験の情報は、塾やネット発信のものが多くて、みんなすごく踊らされるんですよね。

 都心は、本当に受験熱が過熱していて、低学年でも満員で入れない塾もあります。親になってみて思うのは、気候変動格差社会など、時代が変わる中で、将来への不安がすごくある。だから、その不安が全部、教育にいってしまう。教育を与えて、子どもを強くしてあげたくなってしまう。

 さらに東京には、学力をつけるための「武器」を売る業者がたくさんいる。「1時間数万円だが、すごい家庭教師がいる」などの情報が入ってきて、つい「あと5点上がれば、(塾の)上のクラスに行ける」と思ってしまう。

漫画「二月の勝者―絶対合格の教室―」の高瀬志帆さん、小説「翼の翼」の朝比奈あすかさんにも聞きました。

 そういう時、家族にとっての…

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年10月24日7時23分 投稿
    【視点】

    中学受験の世界の内側だけを見ていたら、中学受験をめぐる親子の葛藤の本質は理解できない。中学受験をテーマにした優れた小説や漫画がいま続々とつくられるのは、人間や人生を描くプロである作家さんたちが、中学受験の外を踏まえて中学受験をとらえているか

    …続きを読む
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    磯野真穂
    (東京工業大学教授=応用人類学)
    2022年10月24日8時25分 投稿
    【視点】

    研究者を仕事にすると、周りの学歴の高さに驚くことがあります。「だいたい東大、たまに京大、しばしば欧米有名大学」といった状態が眼前にあり、ここだけみていると東大卒が世界の半分を占めているような錯覚すら覚えそうになります。 他方で、私はボ

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