第1回「戦争はいけない」は真実か 27歳の日本人はウクライナで自問した
数時間おきに爆音が響く。路上で焼け焦げた車が異臭をはなつ。
ウクライナ北東部のハルキウ。小島権徳(けんとく)(27)は5月からこの街で、ボランティア活動にとり組む。地下鉄の駅構内に避難する住民らに食料などを届ける。小島は「砲撃は四六時中。生きているのは運がいいだけ」と語る。
大学でロシア語を専攻した。侵攻後、自分と同い年の息子を殺害された母親を報じるネットのニュースを見て、涙が止まらなくなった。SNSで目にした市民の遺体画像も衝撃だった。
現地入りは友人から止められた。でも、ロシアがウクライナの日常を一方的に奪う理不尽さに、居てもたってもいられなくなった。日本政府がウクライナへ渡航しないよう求める中、会社をやめて現地に飛び込んだ。転職のため退社を考えていたことも後押しした。
連載「ゆらぐ『平和』のかたち」一覧
ロシアによるウクライナ侵攻は、私たち日本人の「平和」に対する考えも激しく揺さぶっています。戦後77年を迎えるこの夏、変質しつつある「平和」のかたちをシリーズで考えます。記事はこの後、戦後の反戦運動の構造や元日本兵士の話などに続きます。
志願兵募るSNS 芥川賞作家が送ったメールは
ずっと「戦争はいけない」と…
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