豊田市美術館「入らなさそうでぎりぎり入るアート」搬入

佐藤雄二
【動画】入らなさそうでぎりぎり入る巨大作品を展示室に運び込む作品搬入パフォーマンス=吉本美奈子、坂本守撮影
[PR]

 愛知県豊田市豊田市美術館で20日、「ビルディング・ロマンス 現代譚(ばなし)を紡ぐ」展(豊田市美術館、朝日新聞社など主催)が始まった。映画や演劇が物語を語るように、現代美術も人々を魅了する親密な物語を紡ぎ出してほしい。そんな期待をこめた企画展だ。

 危口統之と悪魔のしるしによる作品搬入パフォーマンスで開幕した。作家と来館者が協力し、入らなさそうでぎりぎり入る巨大作品を1時間半かけて展示室に運び込んだ。

 豊田市で働く人々を撮影した木村伊兵衛賞作家・志賀理江子=愛知県岡崎市出身=の壁面組み写真、演劇界の奇才・飴屋法水による廃屋インスタレーションのほか、世界的映画監督アピチャッポン・ウィーラセタクン、文化人類学者から転身したスーザン・ヒラーらの映像作品が楽しめる。

 「私たちの身辺は物語に満ちている。多彩な作品を通して、自分の物語を発見してほしい」と能勢陽子学芸員。タイトルは人間の成長を描いた19世紀西洋の長編教養小説を指す「ビルドゥングスロマン」に基づく造語だ。

 4月8日まで。期間中に作家のパフォーマンスや対談、学芸員のギャラリートークがある。問い合わせは豊田市美術館(0565・34・6610)へ。(佐藤雄二)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら