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韓国大統領選挙2022

韓国大統領選は2022年3月9日に投開票され、保守系の最大野党「国民の力」の尹錫悦前検事総長(61)が当選を確実にしました。尹氏が大統領になることで、対日関係や北朝鮮の核問題にも動きがある可能性があり、今後の動向に注目が集まります。

5年ぶりに保守系へと政権交代

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民意は二分 多難な船出

【韓国大統領選2022 ここが見どころ!!】

  • ①政権交代の可能性は? (2021年9月10日)


    今回の韓国大統領選の最も最大の注目点は、政権交代が起きるかどうかだ。大統領の任期は5年で再任がないため、文在寅政権が続くことはないが、進歩(革新)系の与党「共に民主党」候補が当選すれば政権維持、保守系の最大野党「国民の力」などの野党候補が勝てば5年ぶりの政権交代となる。
    有権者が新たな大統領を選ぶ判断の大きな物差しにするのは、文政権5年への評価。文氏は2017年の大統領選の公約に、最低賃金の引き上げを柱とした「所得主導成長」や財閥改革などを掲げたが、いずれもうまくいったとは言えない。
    それでも文氏は4割前後の支持率を維持している。歴代大統領が任期末に「レームダック」(死に体)には陥りがちな韓国で、熱烈な進歩系の支持者の存在をうかわせる。一方、多くの世論調査では政権の交代を望む声が維持よりも多い結果が出ている。

  • ②保守と進歩(革新) 対立軸に変化は? (2021年9月10日)


    韓国政治では保守と進歩(革新)が政権を争い常にせめぎ合ってきた。大まかに分けると、保守は1980年代後半までの軍事独裁政権が進めた外交や経済の路線に近しい勢力で、その軍事独裁と闘って民主化を勝ち取った勢力が進歩。保守と進歩は水と油の関係にある。
    保守は南東部の慶尚道で強く、進歩は南西部の全羅道を地盤とする状況は、韓国政治における「地域主義」と呼ばれる。ただ、有権者数は慶尚道の方が圧倒的に多いため、進歩が大統領の座を勝ち取るには、知名度抜群だった故金大中氏を除くと、慶尚道出身の候補が地元の票を集めつつ、全羅道や首都圏で勝つというパターンが続いている。故盧武鉉元大統領、文在寅大統領もこのパターンにあたる。
    地域という対立軸に加え、来年3月の大統領選では「世代」の違いにも注目が集まる。保守の支持層には高齢者が多いが、最近は20~30歳代でも増えている。その間の中年世代には進歩支持が多い。

  • ③政策論争 何が違う? (2021年9月10日)


    与野党では現在、党の大統領候補を決めるためのプロセスが続いている。政策論争が深まっている段階にはないが、経済問題は大きな争点の一つになりそうだ。
    韓国では、財閥のような大企業と中小零細企業に産業構造が分かれて中間層が薄く、所得の格差が大きい。さらに不動産や株式などの投資や投機で資産を増やす層も増えた。富める者は教育にお金をつぎ込み、その子供は難関大学に進み、一流企業に就職する。こうした所得や教育の格差の拡大に、有権者の不満が渦巻いている。
    北朝鮮との関係は、韓国ならではの政策論争となる。文在寅政権が看板に掲げた南北関係の改善は、与党候補が大統領になれば継承されるとみられるが、北朝鮮との対話に慎重な保守に政権交代となると路線変更の可能性が出てくる。

主な候補者

【韓国がわかるキーワード】

  • ①韓国とは (2021年9月10日)


    朝鮮半島の南半分に位置する大統領制の民主国家。1945年に第2次大戦が終結し、日本の植民地支配から朝鮮半島が解放され、48年に建国された。北側に樹立された北朝鮮との間で50年に朝鮮戦争が起き、53年に休戦。38度線に軍事境界線が引かれ、現在に至るまで分断状態が続く。
    韓国の憲法上は朝鮮半島全域を領土とするが、北半分に施政権は及んでいない。国土面積は日本の4分の1の約10万平方キロメートルで、人口は約5178万人。 日本とは65年の日韓基本条約で国交正常化した。軍事クーデターにより権力を掌握した朴正熙政権下で、60年代後半から財閥企業による輸出主導型の経済成長を成し遂げた。87年に民主化され、国連には91年に北朝鮮と同時加盟した。
    現在の経済の主力は半導体で、韓国銀行によると、2020年の実質GDPは1兆5512億ドルで世界第10位。国連貿易開発会議(UNCTAD)は今年7月に韓国を開発途上国から先進国に分類を変えた。

  • ②韓国大統領 (2021年9月10日)


    韓国の憲法は大統領に強大な権限を与える。国家元首と行政府のトップを兼ね、首相や閣僚だけでなく、三権の長である大法院長(日本の最高裁長官)、一院制の国会議長の任命権も持つ。軍を統帥し、米国では議会にある宣戦布告の権限も大統領にある。
    こうした権力集中を見直すための憲法改正の必要性が議論されてきた。しかし、北朝鮮と休戦状態にあり、有事に即応するには現行憲法が望ましいとの意見も根強い。1987年の民主化以降は大統領の任期は5年で再選はできなくなった。
    強大な権限は大統領による政策実行の推進力となるが、独裁や腐敗を招きやすい。歴代大統領の多くは、スキャンダルや側近の裏切りにより、悲惨な末路を歩んできた。
    初代の李承晩氏は不正選挙への抗議デモが巻き起こり米国に亡命。16年間も権力の座にいた朴正熙氏は側近の銃弾に倒れた。全斗煥、盧泰愚両氏は不正蓄財や内乱罪で投獄され、民主化後も盧武鉉氏は収賄疑惑が持たれるなかで自殺。李明博、朴槿恵両氏も収賄事件などで実刑が確定した。

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2024年3月28日7時0分

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