夏目漱石「三四郎」(第五十回)五の五

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 三四郎は一分かからぬうちに追付いた。追付いても誰も何ともいわない。ただ歩き出しただけである。しばらくすると、美禰子が、

 「野々宮さんは、理学者だから、なおそんな事を仰しゃるんでしょう」といい出した。話しの続きらしい。

 「なに理学を遣らなくっても…

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