夏目漱石「三四郎」(第四十回)四の十二

有料記事

写真・図版
  • 写真・図版
[PR]

 美禰子が掃くあとを、三四郎が雑巾を掛ける。三四郎が畳を敲(たた)く間に、美禰子が障子(しょうじ)をはたく。どうかこうか掃除が一通り済んだ時は二人とも大分(だいぶ)親しくなった。

 三四郎が馬尻の水を取り換(かえ)に台所へ行ったあとで、美禰子がハタキと箒を持って二階へ上(のぼ)った。

 「ちょっと来て下さい」と上…

この記事は有料記事です。残り1429文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら