国指定重要無形民俗文化財で、7月下旬にある福島県相馬地方の伝統行事「相馬野馬追(のまおい)」が、今年はほぼ例年通りに開かれることになった。11日に開かれた執行委員会で決まった。昨年は東日本大震災のために中心行事を中止し、大幅に縮小して開催した。
今年の開催は7月28〜30日の3日間。昨年は中止となった中心行事の神旗争奪戦や甲冑(かっちゅう)競馬は、29日に南相馬市原町区で開かれる。ただ、3日目の行事、野馬懸(のまがけ)の会場は、東京電力福島第一原発事故による警戒区域内にあるため、避難区域の見直しを待って対応を再検討する。
相馬野馬追は、旧相馬中村藩の先祖とされる平将門の軍事演習に由来するという。参加する3神社5騎馬会でつくる「五郷騎馬会」の本田信夫会長は「武具や甲冑を持ち出せなかった人も多い。地震被害もあり、本来の野馬追ができるかどうかはまだ分からないが、復興のため一生懸命やるのみです」と語った。