東日本大震災で被災した日産自動車のいわき工場。震災からの早期復旧も躍進を支えた。手前はカルロス・ゴーン社長=昨年5月17日、福島県いわき市、宮崎健撮影 |
日産自動車・仏ルノー連合の2011年の世界販売が初めて800万台を上回ったことが27日わかった。2年続けて過去最高をぬりかえ、トヨタ自動車グループ(795万台)を抜いて世界3位に浮上した。新興国の需要を着実につかんだことが躍進につながった。
日産の販売台数は前年比14.4%増の466万9981台、ルノーは同3.6%増の272万2062台。ルノーが25%を出資するロシアの自動車大手、アフトバズの販売台数(63万7179台)を含め、トヨタグループを上回った。アフトバズには日産も出資を計画しており、ルノーと共同で過半数の株式を取得する方針だ。
日産の販売台数は、中国やメキシコで前年より20%前後も伸ばした。新興国での躍進を支えたのは、コスト削減のために開発した世界共通の車台だ。この車台を使って、タイの工場で10年に小型車「マーチ」の生産を始め、11年には中国、インド、メキシコなどでも現地生産を増やした。