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2011年11月24日18時56分
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群れても浮気ナシ 夫婦で子育てする魚、アフリカで発見

写真:ロトゥンディベントラリス=京都大提供拡大ロトゥンディベントラリス=京都大提供

 群れのなかでもお互いを見分け、一夫一婦制を守っている「夫婦の絆」の強い魚を京都大のグループが見つけた。雄雌ともに口の中で子育てをする習性があり、DNAを調べたところ、すべてが夫婦の実の子どもだった。群れる魚では乱婚状態のものが知られているが、特定の夫婦の絆があるのは初めての発見という。英王立協会の生物学専門誌で発表した。

 アフリカ・タンガニーカ湖にすむ熱帯魚「ロトゥンディベントラリス」。体長5センチほどで500―3千匹の群れをつくる。まず、雌が口の中で平均10個の卵を孵化(ふか)させる。稚魚が9ミリぐらいまで育つと一部を雄に渡し、それぞれが口の中で15ミリぐらいになるまで育てるという生態が知られている。

 京大動物生態学研究室の高橋鉄美研究員らが、成魚の雄14匹と雌9匹とその口の中にいた稚魚72匹の親子関係をDNA鑑定した。その結果、雌も雄も実の子どもだけを育てていた。雌は特定の「夫」とだけ受精卵をつくり、自分の産んだ卵だけを育て、それを夫だけに渡していることになる。

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