ソニーは東日本大震災後で初となるラジオの新製品を10月21日に発売する。地味な印象の強い電子機器だったが、非常時の情報収集手段として脚光を浴び、販売数は前年比2倍に膨らんでいる。同社はラジオの「復権の好機」とみて品ぞろえを強化する方針だ。
新製品「SRF―18」は縦約8センチ、横約15.5センチ、奥行き約3.4センチ。防災向けに限らず「普段使い」を意識した。トーク番組も含めラジオ放送に興味を持った若者がターゲットで、携帯音楽プレーヤーをつないで聴くことも可能。単3型乾電池を2個使い(ACアダプターは別売り)、想定価格は3500円前後。
ソニーによると、同社製ラジオの国内販売台数(週別)は、大震災の起きた3月11日の直後から、前年比3〜4倍の伸びを示した。5月以降も同2倍前後で推移しており、「手回し充電式を中心に非常用、日常用としての需要が落ちない」という。同社はラジオの今年度の国内市場を前年の255万台より約4割多い350万台と予測している。