東京電力は25日、福島第一原発事故の避難者らに対する賠償金の仮払いについて、福島県南相馬市の指示で避難した人も対象に加える、と発表した。具体的には同市北部の約1万2千人で、支払額は避難期間に応じて1人10万〜30万円。
同市は3月16日に住民に対し、一時避難を指示した。ただ、同市北部は原発から30キロ圏外で、国の避難指示の対象になっていないため、東電も仮払いの対象外としていた。しかし、政府の原子力損害賠償紛争審査会が5日にまとめた中間指針で、「自治体の指示による避難」も損害対象に追加され、仮払いを決めた。
30キロ圏内の避難者には、これとは別に1世帯100万円の仮払いもしているが、同市北部については9月から賠償金の本払い手続きが始まるため仮払いはしない。