福島、岩手、栃木県全域の肉牛について、菅政権は25日、えさが汚染しない管理や牛の検査体制が確立したとして、出荷停止の指示を解除した。福島県の牛は、国の基準を超える放射性物質が肉から見つかり、原因がわからないため、19日の解除が見送られていた。これで牛の出荷停止地域はなくなった。
福島県は7月19日の出荷停止から5週間あまりで解除となった。原因不明だった牛肉の汚染は、その後の調査で、壁のない牛舎に置かれていた飼料に放射性物質が降り注いで汚染した可能性が高いと判明。菅政権は、えさの管理の徹底と、放射性物質に高濃度に汚染された地域の牛は全頭検査にする福島県の計画で対応できると判断した。
福島、岩手、栃木3県のの計画は、19日に解除された宮城県とほぼ同様だ。汚染稲わらなどをえさとして利用した農家の牛は、全頭検査で国の基準を下回れば出荷できる。それ以外の農家は、最初の出荷の際に1頭以上を検査し、基準を大幅に下回っていれば、ほかの牛は一定期間、検査なしで出荷できる。(沢伸也)