「放射能の影響を気にせず、夏休みを満喫してほしい」と、愛知県の市民団体などが招いた福島県の子供たちが22日、同県大府市の至学館大学で、学生ボランティアらとの交流会を楽しんだ。子供たちは23日に福島に戻る予定。一緒にゲームなどを楽しみながら、最後の夜を過ごした。
主催は、東日本大震災を機に、愛知県内の大学生を中心に結成した「愛チカラ」。同県春日井市の支援団体「雨にも負けずプロジェクト」と協力して、福島県伊達市の子供の一時避難を受け入れ、1日から計34人が春日井市の寺「密蔵院」と、至学館大の施設で過ごしてきた。
「夏休みの最後の思い出づくりを」と企画した交流会は「話和輪(わわわ)祭り」。「共に話し、和やかに笑顔の輪をつくる」という意味で、一般参加の市民も含め100人を超す参加者が大道芸やゲームなどを楽しんだ。最後は、子供たちが「ありがとう」などと書いた灯籠(とうろう)に火をともし、一緒に歌をうたい、泣きながら別れを惜しんだ。
伊達市の小国小学校に通う5年の森藤壮太君(11)は「福島では家の中でしか遊べなかったけれど、ここではドッジボールや鬼ごっこなどで思いっきり遊べてうれしかった。ボランティアのお兄さんお姉さんも親切で、今は愛知を離れるのが少し寂しい」。
一方、学生ボランティアの中心になってきた至学館大1年の横倉亜美さん(18)は「最初は他人行儀だったけれど、次第に自分の弟や妹のように話せるようになった。むしろ元気をもらったのは私たちだった」と話した。