福島県の畜産農家が出荷し、冷凍保存されていた牛肉から国の基準値を超える放射性セシウムが検出された問題で、県は22日、開放型の畜舎に置いてあった米国産輸入飼料が原発事故で飛散した放射性物質に汚染されたのが原因とみられる、と発表した。
この肉の汚染が19日に確認されたことで、同日の予定だった同県産牛の出荷停止解除は見送られていた。政府は調査結果を受け、改めて解除を検討する。
県によると、農家は震災3日後の3月14日ごろに避難する際、同県浪江町の農場の牛舎の通路に、普段より多めの飼料を置いていったという。牛舎は壁など外との間を遮るものがない開放型で、県は、飼料に放射性物質が降り注ぎ、それを与えられた牛の肉が汚染された疑いが強いとみている。通路の飼料は牛から届かないところに置かれていたが、農家は1週間ほどして戻ったあと、この飼料を与えたという。飼料は残っておらず、検査できないという。
この農場からは震災後、229頭が出荷された。8月19日以降、計13頭を検査し、うち12頭から基準を超えるセシウムが確認されている。