福島県の畜産農家が出荷し、冷凍保管されていた牛肉から放射性セシウムが検出された問題で、県は21日、この農家が4月に出荷した別の3頭の肉からも、国の基準の最大1.3倍にあたるセシウムが検出されたと発表した。
農家は同県浪江町など3市町村の農場で計約4千頭の肉牛を飼育し、原発事故後、浪江町の農場から229頭を出荷。今月19日に4頭、20日に5頭から基準値を超えるセシウムが検出されており、これまで13頭を検査して12頭が基準値を上回ったことになる。
県は農場を立ち入り調査し、えさの管理や飼育方法を確認。採取したふんを調べたところ、浪江町の農場で牛を出荷したころから残っていたとみられるふんから乾燥状態で1キロあたり9500ベクレルと、他の2農場の15倍以上の高濃度セシウムが検出された。
県は引き続き原因解明を進め、この農場から流通した牛肉を検査するという。(桐井杏里)