東京電力福島第一原発事故を政府から独立した立場で検証するため、自民、公明、たちあがれ日本の3野党は、民間人による調査委員会を国会に設置する法案を衆院に提出し、19日から民主党などと実務者協議を始めた。ただ、民主党は慎重で今国会成立は微妙だ。
政府は5月に事故調査・検証委員会を設置して事故原因を調査中だ。3野党はこれとは別に立法府として事故検証が必要との考えから、9日に議員立法で「東電福島原発事故調査委員会法案」を提出した。
法案によると、調査委は民間人10人で構成。原子力業界の影響を極力排除するよう「公正な判断」ができる有識者を衆参両院議長が任命する。衆院事務局によると、第三者による調査機関を国会内に設置した例は過去にないという。委員が利害関係者と接触した場合は原則報告を義務づける。
調査委は事故原因究明に加え、政府や東電の事故対策も検証。関係者の参考人招致も可能にし、首相や閣僚の対応も対象となる。調査委は原則公開で、設置後6カ月をめどに報告書を衆参両院議長に提出するとしている。
だが、民主党は実務者協議には参加するものの、政府が事故調査・検証委を設置していることなどを理由に難色を示している。(岡本智)