東京電力は12日、福島第二原発の東日本大震災の被災当時の詳細な状況について経済産業省原子力安全・保安院に報告した。地震の揺れを感知して原子炉を止める制御棒は挿入されたが、制御棒の位置を示す計器が故障していたことが明らかになった。また、原子炉建屋内の燃料プールから水があふれるなど、水漏れがあったことも判明した。
東電によると、計器で故障が見つかったのは、1、4号機。ただし、当時、核分裂が継続する臨界が起きていないことなどは、ほかの計器で確かめることができたという。
また、4基すべての原子炉の原子炉建屋やタービン建屋で水漏れがあり、床に流れた水を受け止める升からあふれたという。一部は放射性物質を含んでいる可能性がある。
2007年7月に新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災した際、建屋内の放射性物質を含む水が、水を排出する経路に入り込み海に流れ出た。それを受けて、地震時には排出装置を止める措置がとられた。このため、東電では建物の外へ汚染水は漏れなかったとしている。(坪谷英紀)