流通大手のイオンは自社グループで販売するコメについて、独自の放射線量検査に取り組む方針を9日明らかにした。2011年産米は政府が自治体に検査を求める方針だが、行政任せにせず、流通業者としても消費者に安全をアピールする必要があると判断した。
プライベートブランド(PB)「トップバリュ」で販売するコメが対象で、イオンは東北地方産の「あきたこまち」などを販売している。PBは契約栽培のため、出荷時点での検査が可能だという。すでにカドミウム検査や残留農薬検査を実施しているが、これに放射線量検査も加える。
イオンはトップバリュブランドの牛肉の全頭検査に取り組んでおり、コメも全量を対象にするとみられる。「行政による検査だけでは消費者の不安がぬぐえない可能性がある」(幹部)という。
牛肉に続き、コメについても放射能汚染の可能性が懸念されている。店頭では、「汚染の心配のない、10年に生産された米の買いだめが起きている」(大手スーパー)といい、11年産米の安全を消費者に訴える動きが広がりそうだ。(斎藤徳彦)