東京電力福島第一原発の事故でゴルフ場が放射能に汚染されて休業に追い込まれたとして、「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」(福島県二本松市)の運営会社などが8日、放射性物質の除去と半年間の維持経費約8700万円の支払いを東電に求める仮処分を東京地裁に申し立てた。
弁護団によると、ゴルフ場は原発から約45キロで、震災による地割れなどの補修を終え、7月1日の営業再開を目指していた。だが、6月に二本松市が実施した検査で、全18ホールから基準を超える放射線量が計測され、安全を考慮して自主的に休業しているという。
東電には、放射性物質の除去のほか、7〜12月分のゴルフ場の社員12人の人件費や施設維持費などの支払いを求めた。
政府の原子力損害賠償紛争審査会は5日に中間指針をまとめ、東電は9月から請求を受け付ける予定だが、弁護団は「審査会の見解は尊重するが、判断を待っていては回復しがたい損害が出る」と説明した。
仮処分申請について東電は「現時点では内容を把握していない」とのコメントを出した。