東日本大震災で宮城県石巻市の私立幼稚園の送迎バスが津波に巻き込まれ、園児5人が犠牲になった事故で、一部の遺族が近く園側に損害賠償などを求める訴訟を仙台地裁に起こす方針を決めた。
提訴するのは、私立日和幼稚園の年長組でいずれも当時6歳の佐藤愛梨(あいり)ちゃん、佐々木明日香(あすか)ちゃん、西城春音(はるね)ちゃんの遺族ら。震災があった3月11日、バスが津波の警報の発令直後に海辺に向かっていたことから、「園は津波を予想できたのに注意を怠った」として人災による事故と訴える。
園側の代理人弁護士は「大津波が来るとは予想できなかった」として、園側の責任を否定している。
バスは地震発生の約15分後に園児を乗せて出発。高台の幼稚園から海辺の住宅街に向かい、親に会えず車内に残っていた園児5人が死亡した。(西尾邦明、室矢英樹)