長崎県佐世保市の米海軍佐世保基地で、東日本大震災の救援活動「トモダチ作戦」に参加した航空機などを除染した際に出た低レベル放射性廃棄物が保管されていることが5日、わかった。市が外務省に確認した。東京電力福島第一原発の事故に関連する廃棄物であることから「東京電力を含む日本側が責任を持って処分すべきもの」として、現在、日米間で処分方法を協議中という。
外務省日米地位協定室から市にあった回答によると、保管されているのは「トモダチ作戦に参加した航空機等を除染した際に出た布等」。機体を拭き取ったぞうきんなどとみられ、貯油所内の倉庫にあるという。放射性物質はごく微量で、佐世保港内6カ所に文部科学省が設置しているモニタリングポストに異常値は出ておらず、外務省は市に「安全性に心配はない」と説明しているという。
佐世保基地には米の原子力空母や原子力潜水艦が出入りしていることから、市は外務省に対して「放射線に関することで、安全性について市民への説明も必要。持ち込む前に説明してほしかった」と不快感を伝え、早急な処分を求めた。