福島県郡山市の逢瀬(おうせ)公園で4日、新しい方法による芝生の除染の実証実験があった。芝を完全にはぎ取らず、根茎を残し深く刈り取るやり方。芝の再生が可能なうえ、刈り取る量を少なくし、費用を抑えられる利点があるという。
放射線の影響を減らすための県のプロジェクトの一環。約160平方メートルの芝生で作業員が放射線量を測定したあと、機械を使い、通常の芝の手入れよりも深く刈り取った。芝生の草や、刈り取ったり枯れたりした草がたまった部分に放射性物質が蓄積されており、それらや土の表面を取り除くと線量を減らせるという。
指導した東京農大地域環境科学部の近藤三雄教授は「線量は3分の1に減るはず。知恵を出し、芝生を生かすやり方で進めていきたい」と話した。
県は実験の効果や方法を公表し、芝生がある公園や家庭にこの方法を広めていく方針という。(佐藤美鈴)