厚生労働省は3日、東京電力福島第一原子力発電所の事故復旧に向け緊急作業にあたる作業員の健康管理対策をまとめた。作業員全員の被曝(ひばく)線量を管理するデータベースをつくり、100ミリシーベルト超の被曝をした作業員は、国が費用を負担して健康診断をする。
100ミリシーベルトは通常時の作業にあたる原発作業員の5年間の被曝線量の上限。今回の作業だけでこの値を超えた作業員は7月29日時点で108人いる。ただ、これより低い被曝線量でも健康障害が起きる可能性があるため、厚労省は対象を広げる方向で検討しており、9月中に決める。
健康診断は年1回程度を想定。血圧など通常項目に加え白血球の数や白内障、皮膚の状態などを調べる。
データベースには作業員全員の氏名や住所、被曝線量を登録。国が実施した健康診断の結果のほか、企業や個人で受けた診断の内容も加える。対象者は数万人に上る見通しで、年明けにも運用を開始する予定だ。