福島第一原発事故の影響調査について、政府は2日、「総合モニタリング計画」を決めた。稲わらや腐葉土への放射能汚染が広がる中、局所的に放射線量の高い地域(ホットスポット)などを把握するため、航空機による線量調査を東日本全域に拡大する。結果は今月半ばに開設する専用のホームページで公表する。
各省庁が別々に行っているモニタリングを一元化する調整会議で決まった。
航空機による調査では、年内をめどに青森から愛知、福井県など1都21県に対象を広げる。福島県近隣以外でも、放射線量が周囲より高い地域が心配されており、住民の安心などのために現状を把握する。
さらに、海水調査などでは放射性物質の分析精度を高めることにした。最近、汚染数値が測定器の検出限界値より小さくなり、通常時より高くても不検出となるケースが出てきたためだ。
また、福島県内の緊急時避難準備区域の詳細な線量の調査結果はマップにして今月半ばにも公表し、住民の帰宅へ向けた区域の解除などに役立てる。文部科学省のホームページに「放射線モニタリング情報」として掲載する。
調整会議は細野豪志原発担当相らを議長に、文部科学省や厚生労働省、農林水産省、環境省など各省庁、原子力安全委員会、福島県、東京電力などが参加。大気や土壌、海や川、農地や林野、食品、水道など6領域に分け、調査の抜け落ちがないか、担当省庁の役割を確認した。(佐藤久恵)