民主党の安住淳国会対策委員長がテレビ番組で「国からお金をもらって泥はかぶらない」などと被災地の首長を批判したことについて、岩手県の達増拓也知事は1日の記者会見で、「増税せよという趣旨なら現状認識の間違い。国として無責任だ」と批判した。
達増知事は「沿岸市町村はもとより岩手全体でも増税する状況にない」と主張。「財政政策は国家の有り様に関わる。安易に、地方が自分でやるべきだというのは無責任」と反論した。
一方、宮城県の村井嘉浩知事は1日の定例会見で、「全く気にしていない。ことさら問題を大きくする必要はさらさらない」と述べた。前日、安住氏から「議院内閣制の本質的な問題点を強く主張したつもり。意図が正確に伝わらなかったことは残念」と電話で伝えられていたという。ただ、村井知事は「市町村長は大変厳しい批判の中で時に泥をかぶりながら頑張っている」とも述べた。
安住氏は7月30日の番組で「自治体の首長は都合がいい。増税しないんですから。国からお金をもらって自分は言いたいことを言い、できなかったら国のせいにすればいい。立派なことは言うけど泥はかぶらないという仕組みを何とかしないといけない」などと語った。
安住氏は衆院宮城5区選出で、死者・行方不明者数が約4千人となった石巻市に事務所を置いている。