三重県の鈴木英敬知事は1日、放射性セシウムを含む稲わらをえさとして食べた牛の肉が全国で流通している問題で、県内で飼育された松阪牛を含む肉牛の全頭検査をする方針を明らかにした。鈴木知事は「農家経営の健全化を図り、県民の安心感を取り戻す」と述べた。
同日開かれた、三重県の「食の安全・安心確保推進会議」で表明した。
三重県内では、放射性物質に汚染された稲わらを食べた疑いのある肉牛が68頭流通。7月末までに残品が確認された牛肉22頭分を検査したが、いずれも暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を下回った。
だが、牛肉価格が大きく変動し、放射性物質の検査証明書の提示を求められるなど、畜産経営に影響が出ていることから、三重県に検査の実施を求める声も寄せられていた。
三重県内では現在、233戸で約2万8千頭の肉牛が飼育されている。検査機器や人員の確保など、態勢が整い次第始めるという。