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福島の子ども36万人甲状腺検査 県民全員に健康手帳

2011年7月25日2時4分

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表:福島県民への健康調査の概要拡大福島県民への健康調査の概要

 東京電力福島第一原発の事故による福島県民への放射線の影響を追う健康調査について、福島県の委員会は24日、今後の詳細な内容を決めた。震災発生時に18歳以下だった約36万人を対象に甲状腺がん検査を生涯にわたり実施する。これだけ大規模で長期に甲状腺の影響をみる検査は例がない。全県民200万人を対象に調査記録を保存する手帳「健康管理ファイル(仮称)」も作る。

 子どもは大人より放射線の影響を受けやすく、特に甲状腺がんが子どもで増えることがチェルノブイリ原発事故の調査でわかっている。放射線の影響とみられる甲状腺がんの発生は事故後4〜5年からだった。

 福島の甲状腺検査では、10月から2014年3月までに超音波(エコー)検査で現時点でのがんの有無を調べる。それ以降は全員に2年に1度、エコー検査を受けてもらう。20歳以上は5年に1度にするが、生涯、無料で検診をする。

 また全県民に対して、広島や長崎の被爆者健康手帳のように、推計した被曝(ひばく)線量や検診記録などを保存するファイルも配布する。

 県は8月から年内をめどに全県民に問診票を郵送し行動記録を調べて被曝線量を推計する作業を始める。県民だけでなく3月11〜26日に県内に滞在して被曝が心配な人も調査の対象に含めるという。

 事故による生活環境の変化やストレスによる健康影響を見るため、職場や地域の特定健診の対象になっていない19〜39歳の健診も来年度実施する。

 被曝線量が高い人や避難区域などの住民には血液などの検査を受けてもらう。県の委員会の山下俊一座長(県立医大副学長)は「低線量の健康影響を見つけるには、がん以外の心臓病や脳卒中などの病気の早期発見が必要。調査の精度を上げたい」と話す。(大岩ゆり、林義則)

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