2011年7月24日19時38分
東京電力福島第一原発の1〜4号機がある福島県大熊町で24日、津波で亡くなった町民ら11人の慰霊祭があった。原発事故から4カ月あまりたっても周辺の放射線量は高く、遺族ら37人は防護服姿で犠牲者を悼んだ。
第一原発から約4キロの同町熊川。慰霊祭には6遺族19人が参加。代表の木村紀夫さん(46)は「あなたたちを救えなかったことを一生後悔すると思います。二度と後悔しないよう、あなたたちが残してくれた家族を守りながら生きていきます」と述べた。
木村さんは妻の深雪(みゆき)さん(37)と父の王太朗(わたろう)さん(77)を亡くし、次女の汐凪(ゆうな)さん(7)が行方不明。原発から数キロの自宅周辺を捜せず、震災直後から避難所を回って「捜しています!! 家族3人が行方不明です」と書いた手作りのポスターを貼り続けた。
慰霊祭後、木村さんは「これで3人が離れていってしまうと思うと寂しい。原発事故のせいで自分の目で3人を捜せなかったことが悔しい」と話した。
大熊町は町全体が原発の警戒区域に指定され、立ち入りが禁じられている。今月18日の文部科学省の調査では、同町熊川の放射線量は毎時32.8マイクロシーベルト。(笹井継夫)