2011年7月13日20時41分
与謝野馨経済財政相は13日、日本記者クラブの講演で「脱原発のスローガンは部分だけの議論で、競争力ある電力が使えるかなどの多面的な検討が必要。(資源の)貧しい国がなんとか成長してきたところを理解しないと、物事の判断を誤る」と述べた。原発に依存しない社会を掲げる菅直人首相の方針を批判した。
与謝野氏は「脱原発は簡単に言えるが、原発の代わりに化石燃料を使えば、法人税を3割増税したのと同じコスト増が発生する」と話した。数兆円の負担増になり、国内総生産(GDP)を押し下げる要因にもなると指摘した。
その後の月例経済報告の記者会見で与謝野氏は、「エネルギー政策全体の整合性を考える必要がある。将来の政策選択は福島(第一原発の事故)の現場が落ち着き、冷静にものを考える時期になされるべきだ」と重ねて疑問を呈した。