2011年7月4日23時6分
松本龍復興担当相は4日、東日本大震災の被災地の知事に対し、「知恵を出さないやつは助けない」などと発言したことについて「結果として被災者を傷つけたとしたら申し訳ない」と陳謝した。進退については「このまままっすぐ前を向いて復興にあたっていく」と述べ、担当相辞任を否定した。東京都内で記者団に語った。
松本氏は3日に岩手、宮城両県を訪問。岩手の達増拓也知事との会談では「九州の人間だから、東北の何市がどこの県とかわからんのだ」と述べ、宮城の村井嘉浩知事には「(漁港の集約は)県でコンセンサス取れよ。そうしないと、我々は何もしないぞ」などと話した。また、会談場所に後から入室した村井知事には「お客さんが来るときは自分が入ってからお客さんを呼べ」と叱責(しっせき)した。
一連の発言について、松本氏は4日、記者団に「九州から見れば東北は広いなという思いがあった」「相手が知事だから、真剣に(住民と)コンセンサスを得ていただきたいと申し上げた」などと釈明。一方、村井知事は4日の記者会見で「国と地方自治体に主従関係はない」と不快感を表明した。
松本氏の発言に野党側は反発。自民党の石原伸晃幹事長は「釈明するか、辞めるしかない」と語り、公明党の山口那津男代表も「首相の任命のあり方についてもやりとりしたらいい」と強調。6日の衆院予算委員会で首相の任命責任を含め追及する構えだ。