2011年6月27日15時12分
菅政権は東日本大震災の復興のために新設する復興担当相の人事に関連し、自民党の浜田和幸参院議員(58)に復興担当の政務官への就任を要請した。浜田氏は離党して受諾する意向で、自民党執行部は除名処分を含めた対応を検討している。
浜田氏は27日に国会内で記者会見し、枝野幸男官房長官から26日に要請があったことを明らかにしたうえで「震災で日本は国難にある。自民党にこだわっている時ではない。ひとりの国会議員として大きな決断をする時だ」と語った。自民党の党籍については「党執行部と協議し、27日中に結論を出したい」と述べた。
これに対し、自民党の石破茂政調会長は「党籍を残すことはあり得ない」と記者団に語り、除名処分を含めた厳しい対応でのぞむ考えを示した。
与党内では、国民新党の亀井静香代表が、村上正邦・元自民党参院議員会長らと連携し、複数の自民党参院議員に離党を働きかけてきた。亀井氏は菅直人首相に政務三役のポストを具体的に考えておくように進言しており、浜田氏にも水面下で離党をすすめていた。
菅政権発足後、自民党議員が離党して閣内に入るのは初めて。菅首相は浜田氏の起用を機に行き詰まった政権運営の流れを変え、参院で野党が過半数を占める「ねじれ国会」を打開するきっかけにしたい考えだが、自民党執行部は強く反発しており、逆に法案審議を巡る与野党協議が滞る可能性もある。
浜田氏は新日鉄、青山学院大講師、米戦略国際問題研究所などを経て、2010年参院選で鳥取選挙区から初当選した。伊吹派に所属し、国会では参院外交防衛委員会に属している。