2011年6月12日12時55分
福島県川俣町の仮設住宅に出店するファミリーマートの仮設店舗のイメージイラスト=同社提供
古川道郎町長(右)に案内され、仮設住宅内の店舗予定地を見学するファミリーマートの上田準二社長(中央)と大内隆央店長=10日、福島県川俣町東福沢、丹治写す
福島第一原発事故で福島県川俣町山木屋地区から避難した住民が暮らす同町内の仮設住宅の敷地内に、コンビニエンスストア「ファミリーマート」の臨時店舗が出来る。住民の入居が始まる26日にオープンする。災害に伴う仮設住宅での開設はコンビニ大手では初という。同地区から避難した男性が店長を務め、約10人の店員も地区住民から優先的に採用する。
町と同社は開店に際し支援協定を結び、10日、締結式があった。
仮設住宅は町役場から約1キロの高台に160棟が建ち、約400人が住む。扱う商品は生活必需品に絞り、品数は通常の店の3分の1。生活支援のため、通常のコンビニにはないDVD・書籍の無料貸し出しやレンタカー(有料)などのサービスを提供する。川俣シャモなど町の特産品の販売も検討している。
店内には、だれでも自由に使える休憩スペース(8席)も設ける。営業時間は午前7時〜午後8時。
店長に採用されたのは、山木屋地区で日用品を扱う小売店を代々営んできた大内隆央さん(31)。予定地を見学し、「気軽に入っておしゃべりできる店舗づくりをしたい」と話した。
ファミリーマートは昨年12月から買い物弱者への援助について国と協議してきた。震災後、国が同社の臨時店舗設営について被災自治体に情報を提供。川俣町が手を挙げたという。(丹治翔)