2011年6月10日21時3分
東日本大震災発生から11日で3カ月。宮城県女川町の離島・出島(いずしま)はいまだに電気も水道も復旧していない。島の人たちは復興を目指して、再び住み始めた。
出島の寺間地区に住む漁師の阿部勝三郎さん(62)、まつえさん(61)夫妻は、島外の避難所から4月下旬に戻った。自宅は高台で津波から免れたが、収穫間近のホタテの養殖いかだを失った。勝三郎さんの兄は行方不明のままだ。阿部さんは日中、港のがれき撤去をし、夜は自宅でロウソクや小型発電機を頼りに生活している。
震災前は定期船が島と女川港を結んでいたが、運航再開のめどは立っていないため、島民は漁船で行き来している。「不便でも誰かが住み始めたら、また島に生活が戻ると信じて住み続けている」と勝三郎さんは話した。(竹花徹朗)