2011年6月8日22時0分
東北最大の貿易拠点・仙台塩釜港から8日、東日本大震災後初めてコンテナ船が出航した。復興への一歩になるが、完全復旧には2年ほどかかる見通しだ。
初出航した船には、東洋ゴム工業仙台工場で生産された自動車用タイヤがコンテナ140個分(20フィート換算)積まれた。東京港で積み替えられ、北米に向かう。同社は震災で仙台港ルートを絶たれ、他港の使用を余儀なくされていた。
仙台塩釜港の昨年のコンテナ取扱量は約22万個分で、東北の6割程度を占める。だが、津波で4千個のコンテナが散乱・流失し、専用クレーン全4機も使えなくなった。4月の輸出額は前年同月比95.7%減、輸入額も98.5%減と、機能不全に陥っていた。
クレーンの復旧には時間がかかるため、当面は代わりに大型建設用クレーンを使う。(力丸祥子)