2011年5月31日10時20分
東日本大震災で津波に襲われた宮城県気仙沼市朝日町の空き地に、数千羽のウミネコが巣を作っている。
震災前は辺りに水産加工場が並んでいたが、津波で加工場は壊れ、がれきや倒れた電柱が散乱。ウミネコは廃材の間や草むらに巣を作り、灰色に茶色の斑点がある卵2、3個を温めている。そして、変わり果てた被災地の上空を乱舞している。
同市で17年間、自然観察を続けてきた谷山友夫さん(78)は「あんな所に集団営巣したことはない。これまで人が近づけない海岸の岩場や離島に営巣していたが、その環境が津波で変わったからではないか」と話す。(掛園勝二郎)