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消費税2〜3%ずつ引き上げ 内閣府・財務省案

2011年5月30日22時14分

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図:内閣府・財務相報告拡大内閣府・財務相報告

 税と社会保障の一体改革を議論する政府の「集中検討会議」(議長・菅直人首相)が30日開かれ、内閣府と財務省が消費増税についての報告書を提出した。税率を2〜3%幅ずつ段階的に引き上げる考え方を示した。低所得者向けに食品などの税率を低くする軽減税率は、導入を避けるべきだ、としている。

 集中検討会議は、6月2日に社会保障改革案と、どれくらいの財源が必要かの試算を取りまとめる。これを受け、菅政権は6月下旬に消費増税と社会保障の一体改革案を決める。財務省は最速で、夏以降の臨時国会に関連法案を出し、2012年4月からの増税を描く。だが、与党内でも消費増税に対する反対論は根強く、東日本大震災の復興財源も方向性は見えていない。このため具体的な引き上げ幅や時期は不透明だ。

 報告書は、一体改革を担当する与謝野馨経済財政相が1月に作成を指示。「社会保障制度の安定化のための増税は、経済への影響は必ずしもマイナスにならない」など、消費増税の実現をめざす与謝野氏の持論に沿った形でまとめられた。

 報告書では、税率の引き上げ方について「一度に大幅に引き上げると、経済の変動が増幅される恐れがある。段階的な引き上げが望ましい」とした。与謝野氏らは15年度までに税率を現在の5%から10%に引き上げることを検討中だが、報告書は、1%ずつ小幅の引き上げを何度もすると事業者の事務負担が増えるため、2〜3%の増税幅とした英国やドイツの例を挙げた。日本でもこの程度の引き上げを、2度ほど実施する考えを示した。

 増税の時期は、景気の山で上げるとタイミングが遅れ、景気が下降局面に入る可能性があるとして、景気が上向き始めた「勢いのある段階での引き上げ開始が望ましい」とした。

 消費税は、所得の低い人ほど負担が重いという「逆進性」がある。低所得者は収入に占める消費の割合が高いからだ。だが、報告書では、今の所得は低くてもかつて稼いだお金を資産として蓄えている豊かな高齢者が増えてきているとして「逆進性の妥当性は徐々に薄れている」とした。

 菅首相は昨夏の参院選で低所得者の負担軽減策が必要と主張していたが、報告書では、軽減税率を導入すれば、税率を低くしたときのメリットが高所得者にも及ぶことから、「逆進性を是正する有効な方策とはいえない」と強調。格差是正には、高所得者に所得税の負担をより多く求めたり、消費税収を社会保障の充実に使ったりして対応すべきだとの考え方を示した。

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