2011年5月30日3時1分
三井住友銀行は、東日本大震災で被災した融資先企業の商品を大量に買ったり、設備替えで二酸化炭素(CO2)の排出が減った分を買い取ったりすることで復興支援に乗り出す。自ら客になって売り上げに貢献する支援策だ。
三井住友銀グループのクレジットカード会社、さくらカードが宮城県大崎市の酒蔵会社「一ノ蔵」から日本酒1千本(300万円相当)を買い、6月1日からカード利用者にプレゼントする。一ノ蔵は震災で生産設備や在庫約1万7千本が被害を受け、売り上げの半分を占める宮城県内での販売も落ち込んだ。今後、いろいろな取引会社の商品を買って支援するという。
三井住友銀は6月3日から、お客さんが個人向け国債を買うたびに、100キログラム分(200円相当)の「CO2排出枠」を被災地の中小企業や自治体から買う。まずは岩手県内の2社と同県雫石町から約500トンを買う予定。国債を買う人が増えれば、他の被災地の会社からも買う。
排出枠は企業や国などが定めたCO2排出量の上限で、目標を達成できない企業などが、目標以上に減らした企業などから余った排出枠を買うことができる。三井住友銀が買った排出枠は国に寄付し、国の削減量に役立てる。(上栗崇)