2011年5月29日1時16分
ドイツ政府が福島原発事故後、新しいエネルギー政策の検討のために立ち上げた諮問委員会の最終会合が28日に開かれ、「脱原発は10年以内に可能」とする報告書をまとめた。DPA通信が伝えた。
委員会報告に拘束力はなく、メルケル政権は連立与党内で最終的な調整を進めるが、報告を基に2021年前後に原子力から脱却する野心的な目標を掲げる可能性が強い。
ドイツは福島事故後に原発の運転延長から、脱原発に政策を転換。国内の17基の原発をいつまでにすべて閉鎖するのかなどが焦点になっている。メルケル首相は脱原発の行程や方法を定める法案を6月6日に閣議決定する方針で、委員会報告を受けて5月29日に予定されている連立与党協議で脱原発の目標年を決めるとの観測がある。ただ、与党内の一部には時期確定に慎重な意見もある。
野党の社会民主党は2020年、緑の党は17年までの脱原発を主張している。(ベルリン=松井健)