2011年5月28日18時47分
大漁旗で作った法被を着て踊る、宮城県石巻市立湊(みなと)中学校「湊中ソーラン」が、東日本大震災を乗り越えて後輩に受け継がれることになった。津波で法被が流されたのを知った北海道の漁師から28日、136枚の大漁旗が届いた。
校舎1階は津波で水没。生徒3人が亡くなり、約100着あった法被のほとんども流された。「湊中ソーラン、もう無理かもしれない」。保護者の嘆きを医療ボランティア団体「キャンナス」のメンバーが聞き、知り合いの漁師らに連絡したところ、北海道様似(さま・に)町などの漁師が「大漁旗を提供したい」と名乗り出た。
28日、旗を受け取った3年生の石田悠真さんは「本当にうれしい。団結してソーランを成功させたい」。同町の「第31一心丸」の旗を贈った川上啓治さん(51)と妻美鈴さん(50)は「船名のように心を一つにして困難に打ち勝ってほしいという願いを込めた」と話した。(小野大輔)