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液状化乗り越え「あやめ祭り」 千葉・香取

2011年5月28日10時43分

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写真:早生のハナショウブが、園内で咲き始めている=香取市の水郷佐原水生植物園、天野写す拡大早生のハナショウブが、園内で咲き始めている=香取市の水郷佐原水生植物園、天野写す

写真:液状化し、圃場の砂が吹き出した=水郷佐原水生植物園提供拡大液状化し、圃場の砂が吹き出した=水郷佐原水生植物園提供

 「東洋一」を誇る150万本のハナショウブが群生する千葉県香取市の「水郷佐原水生植物園」で28日、恒例の「あやめ祭り」が始まった。東日本大震災でハナショウブの圃場(ほじょう)が液状化で砂まみれになるなど1億円を超す被害が出たが、震災で減った観光客を呼び戻そうと復旧に取り組んだ。

 植物園のある佐原地区は利根川などの河川に囲まれ、池や水路が入り組んだ水郷地帯。約6ヘクタールの園内は液状化で地中に埋められた浄化槽が露出するほど地面が隆起し、祭りの期間中に小舟が行き交う水路も泥で埋まった。震災直後に閉園し、2カ月かけて復旧作業を進めてきた。

 ハナショウブが植えられた圃場では地中から砂が噴き出し、芽吹いたばかりの株が砂まみれになった。放置すれば発育が遅れてしまうため、1株ずつ水で丁寧に砂を洗い落とした。

 「少し発育が遅れたが、5月に入り暖かい日が続き、持ち直してきた」と担当者。約10万本のアヤメとカキツバタは盛りを過ぎたが、ハナショウブは早生の品種から咲き始め、6月中旬に見頃を迎えるという。

 佐原地区は古い町並みが「北総の小江戸」として知られるが、瓦が落ちるなど歴史的建造物にも被害が出た。キャンセルが相次いだ団体客の予約も戻り始めた。伊能大栄園長は「丹精込めて育てた花を、ぜひ多くの人に見に来てほしい」と話す。6月26日までの期間中、香取市民は入場無料。(天野みすず)

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