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昆布・カキ…基準超す放射性物質 福島沿岸をNGO調査

2011年5月26日8時22分

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 国際環境NGO「グリーンピース」は、福島県沿岸で採れたタラの仲間の魚や二枚貝のカキ、昆布、ナマコなど幅広い種類の海産物から、国の基準を超す放射性物質が検出されたとする調査結果をまとめた。26日に東京都内で会見して発表した。

 調査した魚介類は5月3〜9日、宮城県から茨城県の海域で地元の漁業者らの協力で集めた。分析は、フランスとベルギーの検査機関に依頼した。この結果、福島県の沿岸や沖合で採取された11種類、計14サンプルの海洋生物から国の基準を超す放射性物質が検出された。

 マナマコからは放射性セシウムが基準の2.6倍の1キロあたり1285ベクレル、カキは基準の1.5倍の同740ベクレルが検出された。タラの仲間はエゾイソアイナメで、基準の1.7倍の同857ベクレルのセシウムが出た。北日本では「ドンコ」と呼ばれ、鍋物などに使われる。この魚は海底付近にすんでおり、グリーンピースは、汚染が海の底にも広がっている可能性を示すデータと分析している。

 また、福島県南部で採取された昆布からは、放射性ヨウ素131が基準の約50倍の1キロあたり10万7千ベクレル検出された。半減期が8日と短いヨウ素131が高い濃度で見つかったことについて、グリーンピースは原発から海への放射性物質の放出が続いているとみている。

 福島県産の海産物について、同県は「いずれも漁が自粛されているため、市場に流通することはない」と説明している。

 グリーンピース・ジャパンの花岡和佳男・海洋生態系問題担当は「これまで自治体が進めてきた海産物の調査は対象とする生物の種数が不十分で、カキやナマコの汚染は見逃されていた。今後は調査対象を増やすべきだ」としている。(山本智之)

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