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避難所210カ所、土砂災害の恐れ 危険箇所に隣接

2011年5月24日5時6分

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 東日本大震災で津波の被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県で、計210の避難所が土砂災害危険箇所に隣接していることが、国土交通省のまとめでわかった。うち25カ所は近くの斜面にひび割れなどがあり、2カ所は緊急工事が必要な状態だった。

 国交省と県は今後、さらに詳しく調べる予定で、危険度の高い場所が増える可能性がある。余震が続く中、梅雨時期を控え、危険な場所に多くの人が避難する現状が明らかになった。

 国交省が3県に報告を求め、16日時点でまとめた。土砂災害危険箇所は斜面の傾斜が急で、地滑りや崖崩れで人家に被害が及ぶ恐れのある場所。今回、緊急点検の対象となったのは震災で震度5強以上を記録した場所にあるもので、岩手7348、宮城7604、福島6737。

 これまでに9割以上で点検を済ませた。今後、結果を市町村を通じて避難所に伝えることにしている。

 210の避難所のうち、斜面に大きくひびが入るなど緊急工事の必要がある最も危険な「A判定」は宮城県石巻市に2カ所。県によると、いずれも個人所有の建物で、数十人ずつが避難しているという。ひび割れなどの程度は軽いが、必要に応じて工事をすることになる「B判定」は岩手6、宮城17だった。それ以外は当面、工事の必要がない「C判定」だが、もともと地滑りなどの危険がある場所だけに、警戒が必要だ。210の避難所に何人が避難しているかは集計できていない。

 国交省によると、宮城のB判定の17カ所は石巻市、東松島市、気仙沼市、女川町にある。岩手県の6カ所は数市にまたがるが、県は「さらに点検する」との理由で自治体名を明らかにしていない。

 今回の点検は震災から約2カ月で行ったため、宮城県の担当者は「少ない人員の中、一通り点検し終えることに力を入れた。より詳しく調べなければならない場所もあり、今後、亀裂などが新たに見つかる可能性がある」と話す。

 A判定の石巻市の2カ所は、まだ緊急工事をしていない。工事は必要だが、ひびが入った斜面が避難所から離れているという。一方、B判定の避難所でも、崩落などの危険がある斜面に面するところには危険性を伝えるなど、状況に応じて工事や通知の優先度を決めているという。

 本格的な復旧工事には年単位の時間がかかるとみられる。こうした避難所にいる人に対し、県や市町村は別の場所に避難してもらったり、仮設住宅に入ってもらったりすることを検討。気象庁と県は、土砂災害警戒情報への注意を呼びかけている。(坂田達郎)

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