2011年5月23日20時27分
【動画】福島県飯舘村で牛の競りに向け、スクリーニング
スクリーニング検査を前に、牛を洗う鴫原良友さん。「牛を見殺しにしたくない。せめて競りの前にきれいにして、いい人にもらってもらいたい」=23日午前、福島県飯舘村長泥、日吉健吾撮影
牛のスクリーニング検査に立ち会う鴫原良友さん(右)。「牛を見殺しにしたくない。せめて競りの前にきれいにして、いい人にもらってもらいたい」=23日午前、福島県飯舘村長泥、日吉健吾撮影
東京電力福島第一原発の事故で「計画的避難区域」に指定された福島県飯舘村で、牛の出荷に向けて放射線量を測定するスクリーニング検査が23日あった。
県畜産課によると、飯舘村で震災前に飼育されていた繁殖牛や肥育牛は約3千頭。26日には県家畜市場で計画的避難区域の牛の臨時の競りが予定されている。23日は県職員が牧場などを回り、出荷予定の300頭のうち240頭のスクリーニングを済ませた。
牛は、毎時1マイクロシーベルトに相当する10万カウント(cpm)以下なら除染せずに出荷できる。
長泥地区の牛の繁殖農家、鴫原(しぎはら)良友さん(60)は3頭を出荷する。「汚染なし」の県職員の声に安心した表情を見せた。
40年以上前から牛の飼育を続けてきたが、今回、本来なら出荷しないはずの母牛「さゆり」も手放す。「自分の娘みたいなもの。本当は売りたくないんだけど、せめて、いいところに引き取ってもらって、1年でも2年でも元気に生きていてもらいたい」