現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

防災・原子力の安全協力強化を確認 日中韓首脳会談

2011年5月22日20時44分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:共同記者会見を終え笑顔で握手する(左から)中国の温家宝首相、菅直人首相、韓国の李明博大統領=22日午後0時23分、東京都港区の迎賓館、代表撮影拡大共同記者会見を終え笑顔で握手する(左から)中国の温家宝首相、菅直人首相、韓国の李明博大統領=22日午後0時23分、東京都港区の迎賓館、代表撮影

 菅直人首相と中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は22日、東京・元赤坂の迎賓館で約2時間会談した。会談後、東日本大震災後の日本の復興に向けた3国間協力の重要性に加え、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ原子力安全や防災面の協力強化などを明記した首脳宣言を発表した。

 日中韓首脳会談は回り持ちで毎年開き、今年が4回目。首脳宣言を発表した3首脳の共同記者会見で、菅首相は中韓両首脳の21日の宮城、福島訪問を取り上げ、「2人の行動こそが我が国に対する復興支援の最大の効果を上げている」と強調。会談の成果に原子力安全、エネルギー政策、防災の3分野を挙げた。

 首脳宣言は原子力安全について「事故の教訓を中韓や国際社会と共有する」と明記。宣言内容を具体化した付属文書では「原子力エネルギーは引き続き重要な選択肢」とした上で、原発の安全性強化の専門家協議の推進▽緊急時の早期通報の枠組み構築▽事故時の空気の流れの分析などの情報共有を打ち出した。原子力災害時の風評被害を防ぐ目的で「事故の際には、産品の安全性について科学的証拠に基づき必要な対応を慎重にとる」と明記した。

 共同会見で温首相は「3カ国は人口が密集する国で、多くの原発がある。情報通報、事故の救援、技術の研究開発などで協力を強化したい」と述べた。李大統領は福島第一原発事故について「情報を国民に伝えることで国民を安心させるべきだ」と述べ、情報開示の必要性を指摘した。

 首脳宣言や付属文書では、エネルギー政策で「再生可能エネルギーを含む成長分野で研究、協議を開始するのが適切」と、若手実務者の交流推進などを挙げた。防災面では、緊急援助チームや支援物資の受け入れの円滑化、災害を想定した共同訓練の実施検討を明記した。日本への観光客減少に関連し、「3カ国間の観光促進」も掲げた。

 日中韓投資協定の早期合意や、日中韓自由貿易協定(FTA)の共同研究を急いで年内に終えることも明記。日中韓FTAについて温首相は会談で、来年の交渉開始に前向きな姿勢を示した。

 北朝鮮情勢では、6者協議の再開に関連し、首脳宣言に「南北対話が必須なまでに重要」「ウラン濃縮計画に関する懸念が表明された」との文言を盛り込んだ。(大島隆)

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

東日本大震災アーカイブ

グーグルアースで見る被災者の証言

個人としての思いと、かつてない規模の震災被害、その両方を同時に伝えます(無料でご覧いただけます)

プロメテウスの罠

明かされなかった福島原発事故の真実

福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート

検索

亡くなられた方々

| 記事一覧