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浜岡原発、海水通す細管が複数破損 部品が外れて衝突か

2011年5月20日22時28分

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 中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市、沸騰水型炉)5号機で、運転停止中に原子炉内に海水が流入した問題で、中部電は20日、海水を通す細管が複数本壊れているのが見つかったと発表した。近くの配管の部品が外れて飛び、衝突して壊れたとみられる。部品の溶接部が傷んでいた可能性があるという。

 破損したのは、タービンを回した蒸気を水に戻す「復水器」の中を通る細管。チタン製で外径3センチ、管の厚みは0.5ミリ。約2万1千本のうち、少なくとも20本が割れるように壊れていた。

 この近くで、別の配管の端をふさぐ直径20センチ、重さ約3.5キロの部品(エンドキャップ)が外れて落ちていた。中部電によると、配管に溶接されたエンドキャップが外れ、約1メートル離れた細管に衝突して穴があいた可能性が高いという。

 5号機は、菅直人首相の要請を受けて14日に運転停止作業をしていたが、当時は部品が外れた配管にもポンプで水を流していた。エンドキャップが外れた理由について、同社の担当者は「溶接部分が傷んで外れた可能性があるが、詳しくは現時点ではわからない」と説明している。

 エンドキャップは昨年3月から今年2月にかけて行った定期点検で点検したが、使う機会が少ないため、目視確認するだけだったという。

 浜岡原発のような沸騰水型炉では、原子炉圧力容器の中で水を沸騰させ、発生した蒸気で発電機を動かす。その後、復水器で、海水の通る細管で蒸気を冷やして水に戻し、循環させる仕組みになっている。

 5号機では14日に運転停止作業中、復水器内に海水約400トンが流入した。うち約5トンが圧力容器内に入ったとみられる。

 中部電はこの事故で外部に放射性物質は出ていないとしている。

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