2011年5月20日15時3分
「日本は安全。旅行先としても魅力的です」。米ラスベガスで19日まで開かれた「世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)」のサミットで、日本観光振興協会の西田厚聡(あつとし)会長(東芝会長、日本経団連副会長)ら、日本の財界・観光関係者が切々と訴えた。
WTTCサミットは、世界の観光・旅行事業者らが集う「観光界のダボス会議」で、来年は東京で開催する予定。東日本大震災後に外国人の訪問が激減した中、落ち込んだイメージを回復しようと、日本関係者が大挙して参加した。
閉会式で壇上に立った西田氏は「ラスベガスもいいけど、日本はもっといい」と英語で笑いを誘った。JR東日本の大塚陸毅(むつたけ)会長は「花粉症のマスクを原発(事故)がらみと誤解される。ぜひ正しい情報を」と訴え、風評被害の払拭(ふっしょく)に努めた。
日本勢として記者会見も独自に設定。報道陣50人近くに復興の状況や観光の魅力を説いた。ただ、米国人記者からは「なぜ今、日本に? と思う人が多く、よほどの動機付けがないと……」という声も聞かれた。
日本政府観光局によると4月の訪日外国人は前年同月比62.5%減の29万5800人(推計)。国際会議の開催を日本からほかの国に変える例も出ている。(ラスベガス=藤えりか)