2011年5月19日13時5分
中国電力の上関原子力発電所建設計画(山口県上関町)で、山口県の二井関成知事は19日、建設予定地の公有水面埋め立て免許の延長を中国電が県に申請してきた場合、認めるかどうかについて、6月議会で方向性を明らかにする考えを示した。二井知事は「選択肢は免許の失効か延長か」とした上で「今は結論は出ておらず、白紙の状態」と述べた。
埋め立て免許が有効なのは着工から3年以内で、来年10月に期限が切れる。中国電は、東京電力福島第一原発の事故後、埋め立て工事を一時中断している。二井知事はこの日、県庁内で記者団に「菅直人首相がエネルギー政策を白紙から見直すと言っているので、新規立地を含め、どういう方向になるのか状況を見ながら県としての方向性を出していく」と述べ、国の姿勢を見極めたい意向も示した。
原発建設計画については、中国電の原子炉設置許可申請を受けて国の原子力安全・保安院が安全審査中で、二井知事は「埋め立て免許失効の場合は、その後に国の原子炉設置許可があれば、埋め立て免許を出すという方向が一番わかりやすい」と語った。
二井知事はこれまで、埋め立て免許について「国の法定受託事務であり、法的な問題がなければ認めざるを得ない」としてきたが、原発事故を受け、県の裁量権があるのかを国に確認しているという。
一方で、二井知事の任期は来年8月21日までで、次期知事選には立候補しない意向を表明している。ただ、この日、二井知事は、「私の段階で判断しなければならないと思っている」と語った。県の外郭団体「県振興財団」は中国電の4950万株を所有する筆頭株主でもある。