2011年5月18日22時34分
電力10社でつくる電気事業連合会(会長=八木誠関西電力社長)は18日、東京電力福島第一原発の事故に伴う損害賠償の枠組みについて、経済産業省資源エネルギー庁に要望書を提出した。原子力は国策で推進してきたとして、政府に賠償責任を果たすよう求めた。
賠償枠組みの政府案では、原発を持つ電力各社が負担金を払って「機構」をつくり、その機構が東電の賠償を支援する。枠組みは、将来の事故にも備えた共済制度になっていて、東電を含めた電力各社が毎年、負担金を払い続ける仕組みだ。
政府は一時的に公的資金を投入するが、東電が全額を返済する。電事連は、国も賠償負担を明確化するように要望した。
負担金については、東電以外の電力会社まで払う理由を「利用者や株主に十分に説明できることが必要」と指摘。東電の事故は枠組みができる前に発生していることから、さかのぼって適用する理由を政府が示すように求めた。
電力各社の毎年の負担金をめぐっては、東電が約2千億円、ほかの電力会社で計約2千億円という政権内の試算がある。ただ、公表はされていないため、電事連は各社の負担規模を示すように要望。電力の安定供給や金融市場の信用維持の支障にならない負担水準とするように求めた。