2011年5月18日19時30分
第64回カンヌ国際映画祭に参加している河瀬直美監督は17日、東日本大震災が起きた3月11日にちなんで世界の映画監督に3分11秒の短編を製作してもらい、それをまとめて1本の映画を作ると発表した。震災半年の節目となる9月11日に、河瀬監督の地元・奈良の寺で奉納上映をした後、東北など各地を巡回する。世界の映画祭にも発信していきたいという。
「3・11 ア・センス・オブ・ホーム・フィルム・プロジェクト」と名付けられたこの企画は、河瀬監督の「映画監督として何か命が元気になることが出来ないか」との思いから生まれた。各編を結ぶ主題は「ホーム(家)」。震災によって物理的な家(ハウス)だけでなく、精神的な意味でも家が被害を受けたとの認識があるためだという。
昨年のカンヌで最高賞パルムドールを取ったタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン、中国のジャ・ジャンクー、スペインのビクトル・エリセら世界の著名監督がすでに参加を表明。最終的には20本程度の短編を集め、約60分の作品にしたいという。河瀬監督自身も1本製作する。「東北の人々に見てもらって、少しでも生きる勇気を感じてもらえれば」と話している。(カンヌ=石飛徳樹)