2011年5月18日11時33分
【動画】超高速貨客船、被災者に無料開放
地震で地割れした岸壁に接岸している超高速大型貨客船「テクノスーパーライナー」=17日午後、宮城県石巻市、竹谷俊之撮影
超高速大型貨客船「テクノスーパーライナー」に乗り込む被災者たち=17日午後3時9分、宮城県石巻市、竹谷俊之撮影
超高速大型貨客船「テクノスーパーライナー」のレストランでバイキングを楽しむ被災者たち=17日夕、宮城県石巻市、竹谷俊之撮影
宮城県石巻市の被災者が17日、超高速大型貨客船「テクノスーパーライナー」(TSL)で1泊2日の「船旅」を楽しんだ。
製造元の三井造船が、入浴が困難な避難所などで暮らす人たちにシャワーや食事を提供しようと無料で開放した。この日は152人が訪れ、同市谷川浜のカキ養殖漁師石森健一さん(73)は「広々とした部屋は快適。生野菜を食べるのも久しぶりでリラックスできた」と話した。
TSLは国策として開発され、約115億円を投じて2005年に完成。東京と小笠原諸島を結ぶはずだったが、原油高騰で就航できず、使われないままになっていた。
実際に乗客を迎えるのは初めてで、31日まで停泊し、約1800人が利用する予定。三井造船の桜井真副社長は「最悪の場合、スクラップも想定していただけに、乗客を迎えられたことは感無量だ」と話した。(安田琢典)